プラマグとは

モーターやセンサーなどを動かすパーツとして
精密機器から自動車まで、あらゆる製品に使用されています。

磁力の特性や方向を変えることで性能を向上させる
ちょっとすごい部品なんです!

プラマグは他のマグネット製品と異なり、プラスチックに磁性粉末を混ぜて成形するため、金型が作れれば比較的容易に、どんな形にも成形できます。

磁界の方向、磁力の強さなどは要望に合わせて着磁可能です。

主にモーターやセンサー部品として使用されるため、身近な家電製品からOA機器、精密機械、自動車まであらゆる製品に欠かせないパーツです。

プラマグの磁気特性によって、製品の精度をコントロールしています。

プラマグ

用途と特長

主にモーターセンサー部品として使用されます。

プラマグの多くはモーターやマグネットセンサーなどに使用されます。

自動車、OA機器、スマホやパソコンなどの精密機器、日用家電、医療機器など、いろいろな製品に使用されています。

これらの業界以外にも、モデルガンや日用雑貨、スポーツ用品、おもちゃのパーツなど幅広く活躍しています。

用途と特長
用途と特長

磁力によって用途が分かれる3種類のマグネット

マグネットには主に、マグネット原料にプラスチックを混合し成形する「プラスチックマグネット」と材料を焼き固め成形する 「焼結マグネット」、ゴムの中に原料を混合し押し出す「ゴムマグネット」の3種類があります。

この3種類は製造工程が全く異なり、また発揮する磁力や使い方が変わります。

プラスチックマグネット

プラスチックマグネット

金型を使用し、どんな形にでも成形することができます。主にOA機器やモータ、マグネットセンサーとして使用されることが多い磁石です。

ゴムマグネット

ゴムマグネット

磁力は3つの中で最も弱いですが、柔らかく薄く成形できる為初心者マークやマグネットシートとして使用されています。

焼結マグネット

焼結マグネット

最も固く、強力な磁力が出せる為、各種モーター・発電機・MRI等様々な用途で使用されます。

サンセイ工業はプラスチックマグネット製造専門の会社です
製 法
磁 力
特 徴
用 途

プラスチックマグネット

原材料にプラスチックを混ぜ、溶解し金型にて成形

ゴムマグネットより強く

焼結マグネットより弱い

BHMax:1.6~143〔KJ/㎥〕

0.2~18〔MGOe〕

  • 複雑な形状の成形や薄いものなど、どんな形にでも少ない工程数で成形可能
  • 金型があれば、後加工が必要ない

精密機械のマグネットセンサー、モーターなど

ゴムマグネット

原材料にゴムを混ぜシート状にしたもの

一番磁力が弱い

BHMax:4~13〔KJ/㎥〕

0.5~1.6〔MGOe〕

  • カッターやはさみなどで容易に加工可能
  • シート状のものを成形するので、複雑な形状はできない

玩具や初心者マーク・シートステッカーマグネット広告など

焼結マグネット

原材料を焼き固める

一番磁力が強い

BHMax:8~430〔KJ/㎥〕

1~54〔MGOe〕

  • 強力な磁力を出すことが可能
  • 硬質素材しか作れない
  • 製造コストも 3つのうち一番高い

大型機械のモーターや強力な磁場が必要なMRIなど

プラマグの材料

フェライト系プラマグ
フェライト系

フェライト系プラマグ

フェライト磁石は、粉末治金法により製造される酸化鉄を主原料とした磁石です。(等方性・異方性)

ネオジウム系プラマグ
ネオジウム系

ネオジウム系プラマグ

ネオジウム磁石は、Nd(ネオジウム)・Fe(鉄)・B(ホウ素)を主原料とした希土類磁石です。使い勝手はいいか高価な材料です。(等方性)

サマリウム鉄窒素系プラマグ
サマリウム鉄窒素系

サマリウム鉄窒素系プラマグ

ネオジム磁石、サマコバ磁石を超える性能を持つ磁石として開発された希土類磁石です。(異方性)

サマリウム鉄窒素 + フェライトハイブリッド材
サマリウム鉄窒素 + フェライトハイブリッド材

サマリウム鉄窒素 +
フェライトハイブリッド材

サマリウム鉄窒素にフェライトを混ぜることで、ネオジウム系プラマグと同等の特性でネオジウムより安価で、軽量化が可能。(異方性)

プラマグの配向(等方性・異方性)について

プラスチックマグネットの配向(等方性・異方性)とは

プラスチックマグネットの異方性・等方性は磁化容易軸の配向性を表します。

通常、磁性体粉末をそのままプラスチックに混ぜて成形すると磁化容易軸(材料の分子の磁化しやすい方向)がばらばらになっています。

このようなプラマグを等方性プラマグといいます。

等方性の磁石はどの方向へも同じように着磁できます。

一方、成形の過程において磁性体粉末の磁化容易軸を一定方向に揃えたものを異方性プラマグといいます。

異方性プラマグは磁化容易軸方向に着磁することでより強力な磁力を得ることができます。

等方性プラマグはどの方向からでも磁化がでるのですが分子の向きが様々なため 異方性に比べると磁力は弱く、逆に異方性磁石は分子が一定方向を向いているため 着磁方向は一方向になるが分子が整列している状態のため磁力は強くなります。

等方性

等方性の結晶分子配列がランダムに様々な方向を向いて配列しています。そのため、着磁方向が限定されないのでどの方向にも磁化され、どこから着磁しても同じ強さのプラマグになります。ただし、異方性プラマグほど強い磁力が得られず、着磁方向を限定することはできません。

等方性

異方性

異方性プラマグは原材料の分子が一定方向配列しているため着磁方向は一方向に限定されるが原材料の磁石が整列している状態のため強い磁力が発揮されます。

異方性

異方性の配向方法・種類

異方性の磁化容易軸を揃える方法としては、アキシャル異方性・ラジアル異方性・反発ラジアル異方性・極異方性などがあり、成形時に射出成形機や金型内のマグネットの磁界により、配向させます。

項目
磁力の
向き
特徴
用途

アキシャル配向

アキシャル配向

射出成形機の発生磁場方向

アキシャル

縦軸方向に配向磁界を広げ、縦(アキシャル)方向に磁化容易軸を揃え配向させます。 両端面にN/Sの磁極ができます。又片面だけを利用し多極着磁するものもあります。

吸着用マグネット、センサーマグネット

ラジアル配向

ラジアル配向

射出成形機の発生磁場方向

ラジアル

配向磁界の方向を金型によりラジアル(放射)方向に広げ磁化容易軸を揃え配向させます。

通常はリング状で、内面又は外周面に多極着磁されます。

モーター用ローター、ステーター、エンコーダー用マグネット、その他各種センサー

反発ラジアル配向

反発ラジアル配向

射出成形機の発生磁場方向

反発ラジアル

配向磁界の方向を磁場成形機と金型により、ラジアル(放射)方向に広げ磁化容易軸を揃え配向させます。 ラジアル配向より径方向の配向率が高くなります。

モーター用ローター、ステーター、エンコーダー用マグネット、その他各種センサー

極異方配向

極異方配向

焼結磁石等で必要な極数の配向磁界を作り、磁化容易軸を揃え配向させます。

成形と同時に必要な磁極を作ることができ、ラジアル配向、反発ラジアル配向よりも正弦波的な磁束密度分布が得られ、最大磁束密度は高くなります。

しかし、金型の構造上、短期間でのメンテナンスが必要となります。

高トルクを必要とするモーター用ローター、アクチュエータ用マグネット